終わりのお話【短篇】


おじさんの家に着く頃までには
大人達は皆、おじさんに何かあって
ほしい

そんな風に思っていました。

心の中で、自分がおじさんを
誰かも知らない事に動揺しながらも
誰もそれは口にはしませんでした。

そして心の中で、皆同じ事を考え、
自らの動揺を勇ましく打ち消しました。


『全く、誰も知らないなんてみんなどうかしてるんじゃあないか。』