「…さく!……さくさーん‼



酢酸カーミン!!!!!」




「…ぇあ‼ びっくりしたぁー

ってか、酢酸カーミンって何だよっ!」


「お!? 気付いた?

何かさ、"さくさん"とか言うと

"さくさんかーみん"を思い出してな。

懐かしくね?酢酸カーミン。」


「あっほらし‼お前は小学生か!」

しかも酢酸カーミンは、昨日習ったばかりですよ!

…本当にこの人、蒼河学院行けんのか?


「はいはーい! お取り込み中悪いけど、

夫婦漫才はその辺でよしてねー!」


「まな!!」


「お二人さん、仲良いのは構わないけど

もう授業終わってたの気付いてる?」


「「あ"」」


「クスッ 息ぴったり(笑)

ところで二人は志望校決まったの?」


「ウチは北高」

「俺は蒼河学院」

「えー! 樹、蒼河学院なんだ‼

すごっ‼」


「いや、まだ決めただけだしな。

まなはどこにした?」


「んー。未定

だってまだ4月だよ⁉

そう簡単に決められないって!」


まならしいよ。でも確かにそうだよね。



将来の事は、これから

ゆっくり探していけばいい。


でも、なんで気持ちが晴れないの?














分かった。


寂しいんだ。樹が蒼河に行くのが。