首筋、胸元、おなか、太もも、耳、頬。


優しく触れるその指先に勘違いしてしまう。


あたし・・・今・・・

ずるいこと考えてる。


今だけは、司馬があたしのものなんじゃないかって。


「あとは?」



「もう、わかんないよ・・・」


指の代わりに今度は唇で触れてくる。


嘘でしょ、司馬がこんなことあたしにするわけない。




「し、ば。ダメだよ・・・」


荒い息遣いでこんなこと言っても、説得力はない。

だが、このままじゃあたしたち、間違いばかり犯す。




「お前はこのままでいいの?」



何その、ずるい質問。