ぎゅっと腕に力を入れる司馬。


「こんなこと、しなくていいよ。麻姫のとこ行って」


自分で言って、胸が苦しくなった。




「・・・行かねえ」



なんでこんなときに限って、司馬も意地はるのよ。



「あたし、汚れちゃったし・・・お嫁にいけないね・・・」


こんなこと司馬に言ってどうする気なんだろ。





「どこ触られた?」


「え?」


「俺が証明してやるよ、お前は汚れてなんてないって」




その言葉で、あたしの涙は引っ込んでしまった。

何を言ってるの、あなたは。