好きな人に自分を否定される気持ちわかる? わかんないよね。あんたはあたしの気持ちに1ミリも気づいてないんだから。 「…ああ、嫌いだよ。お前みたいな、背も態度もデカい女ごめんだわ」 …ほらね。平気でそんなこと言う。 気づいたら、あたしは駆け出していた。 もうすぐ約束の時間。 わかってるけど、もう引き返せない。 涙が止まらない。 「…お前だって、俺が嫌いなくせに」 そう呟いた司馬の声は聞こえなかった。