森に潜む何か

森に女が来た。
若かった。美しかった。
腕に何かを抱えていた。
それが何かはわからなかった。
女は森の奥へと歩いて行った。
ばれないようにあとを付けた。

大きな木の前で立ち止まった。
泣いているようだった。
ごめんね、ごめんねと繰り返していた。
抱えていた何かを木の下に置いた。
女は涙を拭いながらその場を走り去った。

その時泣き声が聞こえた。
女とは別のものだった。
木の下からだった。
近づいてみた。
赤ん坊だった。
白い布に覆われていた。
しわくちゃな顔で泣いていた。

それを抱えて女を追った。
すぐに追いついた。
女は怯えているようだった。
何かの気配を感じとったらしかった。
殺さねばならなかった。
辺りを見回す女を気付かれないように背後から襲った。

首が飛んだ。
切り落とされた部分から血が噴き出した。
しばらくぴくぴくと痙攣していた。
やがて静かに動かなくなった。

赤ん坊を見た。
笑っていた。
返り血を浴びて赤く染まって笑っていた。
持って帰ることにした。