○撮影所、食堂、内
原田、山本、木村、高田が食事中。
愛と太一、血相を変えて駆け込む。
(原田、山本)「どうした?」
(木村、高田)「どうしたの?」
(愛)「(息せき切って)見た。今。刑事さん。広隆寺」
(太一)「(ぜーぜー)新月。仏像。変面」

(山本)「わかった!今広隆寺に忍び込んだら、
ちょうど刑事が住職と話をしてて、次の新月の夜に
黄金の仏像を盗むと変面から手紙がきてた。そうだろ?」

愛と太一大きくうなづく。木村と高田が
二人の背中をさすりながら水を飲ませる。
(原田)「黄金の仏像。どうしてもやるつもりだな、あいつは」
皆原田を見つめる。

○広隆寺、本殿、内
国宝半跏思惟像が厳重に安置されている。
住職、出羽、亀山が話している。
(出羽)「これが国宝第一号か・・・すばらしい」

亀山、像に近づきキスをしようとする。
『ブー』とブザーが鳴る。
亀山、飛びのく。
(住職)「30年前に学生がキスしようとして国宝の指を
壊したことがありました。それから、警報器がつけられました」

出羽、大きくうなづいている。
亀山、像に見とれている。
(出羽)「ところで、黄金の仏像というのはどこに?」

住職、ニコッと笑み、出羽に耳打ちする。
(出羽)「ええっ!ほんとうですか?」
出羽、まじまじと仏像を見つめる。

亀山、気付いて出羽に歩み寄る。
出羽、像の胸のあたりを指差して、
(出羽)「黄金の像は・・・この中に埋め込まれている?」
(亀山)「ええっ!このなかに?」

(住職)「だから絶対に盗まれん」

○せむしの作男が掃除をしながら
不気味に大笑いするイメージカット。

○京都、嵐山、初夏
観光シーズンの嵐山の風景。

○京福電鉄、太秦駅
電車が到着し降りてくる木村と高田。
女子大生風のよそおい。

○広隆寺、山門前
重厚な山門を見上げるラフなスタイルの原田と山本。
木村と高田が合流する。
(山本)「じゃ、行くか?」
(皆)「OK!」

○同、境内
せむし男がじっと四人の動きを目で
追いながら掃除をしている。
四人、本殿へ向かう。