○京都の全景。初夏。

○京都、A村、外
大手門「太秦A村」とある。

○同、内
行楽日のA村の風景。
大店街で実際の撮影をしている。

(原田竜太のナレーション)「僕、原田竜太はA村に勤める俳優の卵だ」
撮影現場で出番待ちをする侍姿の原田。

(原田のN)「同期の木村由香、高田早苗。子役の田中太一と斉藤愛。
それと大先輩の山本一。この6人は大の仲良しである」

出番待ちをする浪人姿の山本。
おいらん姿の木村。町娘の高田。
農民の子ども姿の太一と愛。

(原田のN)「山本先輩の兄さんは京都府警の本部長」
○京都府警本部、外
○同、内、本部長室
デスクに座る威厳ある山本の兄。

○A村の遠景
(原田のN)「僕には高校時代熱中した演劇部で藤原純友という
ライバルがいた。彼は突然『俺は世界一の劇団を作る』といって
行方不明になった。その藤原から久しぶりに謎の手紙が来た」

○安アパート、廊下
Tシャツ姿の原田が自室に帰ってくっる。
郵便受けに手紙を見つける。
端からはがす貼り付け手紙。

(原田)「だれだろう?」
手紙を端からゆっくりはがし読む。

(原田)「劇団を作る態勢が整った。これから資金集めに入る。
京都には隠された財宝が腐るほど眠っている。一つ一つ頂いて
いくから捕らえられるものなら捕らえてみたまえ。怪盗変面」

手紙の文字がゆっくりと消えていく。
(原田)「やややっ!へんめん?」

○メインタイトル
『広隆寺黄金の半跏像』
ー怪盗変面とA村探偵団ー

○タイトルバック
A村、時代劇の撮影風景。
『ハーイ本番』の声。
チャンバラ演技中。
『はいOK』の声。

○オープンセット脇
くつろぐちょんまげ姿の俳優達。
修学旅行生たちがロープ外で見ている。
原田と山本がしゃがんでいる。

(山本)「で、手紙が来たって?」
山本、タバコに火をつける。
(原田)「ああ、7年ぶりだったんだが、その手紙を読み終わったら
文字が消えてしまったんだ」
(山本)「消えた?」
(原田)「ああ、すぐに」
(山本)「ふーむ?なんて書いてあったんだ?」