『…やっぱり。すいませんでした』
正直、私は優真くんのファンではなかった。
だから、
こんなに平然と出来たのかもしれない。
流行りに乗るのが苦手な私は避けてきた部分があった。
けど、間近で見るとカッコいい!
世の中が騒いでいる理由がわかる気がする。
よく“テレビで見るよりカッコいい”と言うが…まさにその通りだ。
「こちらこそごめんね」
私は恥ずかしさを通り過ぎてわけがわからず…無我夢中で走って家へ帰った。
芸能人とぶつかるなんて…
しかも寄りによって人気な優真くん。
しかも、しかも!!
会話をしちゃうなんて、運が悪いようで良い。
…なんて馬鹿な事を考えていた。

