『…ん~にんじん』 「はい。負けぇー」 え? いま私なに言った? “にんじん”って… やっぱり、わたし…馬鹿だ。 『やだ』 「決まりごと」 『家着いたら!』 「絶対だよ?」 やだ。もう心臓が止まりそう。 私からするなんて前代未聞。 こういう時こそいたずらに時間だけが過ぎていく。 マンションが近くなっていくうちに優真くんはノリノリ。