馬鹿な私は “女がいる”なんて、考えも過った。 勇気を出してもう1度押すと玄関の鍵が空いた音がした。 「結菜?」 『…ぅん』 優真くんはお風呂に入っていたらしくパンツにバスタオルを首から下げているだけだった。 “女がいる” なんて考えが過った自分は馬鹿すぎる。 「おいで」 優真くんに引っ張られながら… リビングに移動した。 申し訳なすぎて優真くんの顔を直視できない。 「服着てくるね」 『うん』 さすがにまだ寒い。 風邪引かれたら困るから“嫌だ”なんて冗談でも言えない。