毎日休み時間になると携帯とにらめっこしている私を見て心配して来てくれた沙希。
沙希にだけ
という、
気持ちで、優真くんの事を話した。
優真くんと会った事、
優真くんと連絡先を交換した事、自分が今思っていることも全て話した。
沙希は最初は驚いたものの、最後まで私の話を頷いて聞いてくれた。
話を聞いてくれるだけで嬉しかった。
話を聞いてくれるだけで、気持ちが楽だった。
「友達とか恋人とか特別な事を抱いているなら今すぐ離れた方がいいと思うよ」
『…ぅん』
「遠い存在だよ」
誰もが遠い存在と思うと思う。
かつては優真くんだって一般人だった。
ファンに支持されるだけこんなに遠い存在になって行く現実。

