マズイ。


これは、急がなければ。


三人は、あれこれ言っているがそんなことを聴いている暇もないので。


最近買ったカラフルなリュックを右手でガシッと捕まえてから机をすりぬけていく。

目指すのは、教室の前のとびら。

さまざまな声が飛び交うなか、廊下を左にまがり階段を降りていく。

三階から一階まで降り、靴箱にたどりつく。


下から四番目、右から五番目の自分のくつばこからお気に入りの真っ赤なスニーカーをとりだして履く。

そこから昇降口をでて、もう急ぐことにも疲れたのでテクテクと歩いていく。

ポケットからガムをとりだしてかむ。

大好きなスニーカーが右、左とでる様子をみてにやにやするのをこらえながら歩く。



校門に近づくあたりで、女の子たちがむらがっているのが見えた。

そうとうな数だな。これは。

ん?ヤな予感しかしない。

まぁでもこのくらい数がいるならダイジョブそうだろ。

紺のブレザーの下にきているグレーのパーカーをかぶる。