朝だというのに騒いでいる人達を通り抜け、私は自分のクラスである二年一組へ向かう。

そして席へ着けば真っ先に来てくれるのが、中学生の時からの友達であるアキ。


「雪空おはよ!」

「…おはよう」

「テンション低っ!相変わらず朝は得意じゃないんだねー」

「うん……怠い…」


来たばかりだというのに瞼と体が重い。

ケラケラと笑っているアキの元気を分けてほしいものだ。


「アキ、」

「はい?」

「ブラックコーヒー買ってきて」

「と、言うとキミは思いまして実はもう買ってあるんだなコレが!」

「え、ぬるいのやだ」

「ひどっ!!」


少しからかえば泣き真似をしだしたアキを見て笑った。




私の日常とは、アキとの些細なやり取りと勉強。

そんなことを毎日繰り返している。

そして、これからもそれが続いていくと信じきっていた。

…“彼”と関わる事になるまでは。