新訳浦島太郎~another story~

太郎は気がつけば海へと走っていました。

もう日は暮れて明かりもない夜道を駆け抜け、行くあてもなくフラフラと海岸沿いを彷徨いました。

「どうしてこんなことに。」

泣き疲れ、お腹も減り、太郎は浜辺に倒れ込んでしまいました。


「美鈴の作った、おにぎりが食べたいよ……。」


涙と疲労で目の前は霞み、体に力が入りません。



太郎はそのまま気を失うように眠ってしまいました。