新訳浦島太郎~another story~

「たろちゃん、私の家の鍵を渡すから家の近くまで来たら合図とともに一瞬でこのタクシーから降りて!そして荷物を全部回収して!私、ぎりぎりまで時間をつくるから!」

まだ痛む頭を押さえ、太郎は鍵を受け取りました。
いつの間にか靴紐の結び方まで覚えた、愛用のスニーカーの紐をもう一度きつく縛り直します。

「もうすぐよ、いい?せーので車を一瞬だけ止めるから降りてね!運転手さん、後ろから来る人たちに私たちは追われています。後でお礼は払いますからこの子が降りたあとタクシーを斜めに駐車して後ろの車が通れないように道を封鎖してもらえませんか?3分で構いませんので!お願いします!」

「よし、何だか事情は知らんが綺麗なオネーチャンの頼みごとなら引き受けてやろうじゃないの、じゃあ停めるよ」


そういうとタクシーは細い路地に入り運転手は急ブレーキを踏みました。