「お前ら、分かってるよな」
「……あぁ」
瞬間、リビングにビリビリとした音が、空気が流れたような気がした。
「……へ?」
お父さんたちが、汰斗さんたちを殴った。
思わず、私に後ろから抱きついているお母さんの服の裾を握った。
お母さんは何も言わずに、汰斗さんたちのお母さんがいる所に、私を連れて行った。
「ごめんね、夏恋ちゃん…怖い思いさせちゃって…」
「あ、えと…大丈夫、です…汰斗さんたちが助けてくれたから」
「でも、汰斗が付いてたのに、結局夏恋ちゃんを危険に曝したの……
だから、そんな顔であの子たちのこと見なくていいのよ。あの子たちも、これは当然だって分かってるから」
ミサさんの言ってることが、よく分からなかった。
どうして、私が危ないことに巻き込まれると、汰斗さんたちの責任になるのか。
どうして、汰斗さんたちがあんなにも叱られて、それを当たり前だというような顔でいるのか。


