「…何か用?」 「あー、やっぱり汰斗じゃん」 「……?」 汰斗さんの知り合い…? 私を後ろ手にやりながら、汰斗さんは店員さんと仲良さげ?に話している。 それを、ポカンとしながら見ていると、店員さんが私に話しかけてきた。 「ね、このあと時間ある?」 「え?…と、」 「ない」 「何で汰斗が答えるのー」 「か……こいつは俺と用があるから時間はない」 「ね、今“か”って言った?この子の名前って何?」 「………」 汰斗さんは、店員さんをジトっと見ながら、教えるかよ…みたいな顔をした。