傍にいさせて






―――――……




「ただいまー!」




夕方、商店街の人達からもらったものを整理してたら、お母さんが帰ってきた。



私は、「おかえりー」と適当に返して、荷物の置き場を考えている。


そんな私に、「何か冷たいぞー夏恋ちゃん」と言い、テーブルに封筒を置いた。




「てかどしたの?それー」


「商店街の人達が、餞別だーとか言って、帰りにくれたの」


「そっかぁ…じゃあ引っ越す前に、お礼に行かないとね」




そう言って、嬉しそうな顔をする。



私のお父さんとお母さんは、この街で育ったらしい。


お父さんは、私が2才くらいの時に、事故で亡くなった。


どういう事故だったのかを、何度か聞いたことがあったけど、いつも曖昧にはぐらかされて、今はもう聞かないことにしている。



でも見た感じ、お母さんはお父さんのことを大好きみたい。


毎日お父さんの写真見てるんだもん。


……そういえば、お父さんのとこのお爺ちゃんとかお婆ちゃんに、会ったことないな…。


どんな人なんだろ………。