「夏恋〜、おつまみ作ってぇ?」
「お母さん……飲みすぎよ、お酒臭い」
「そんなことないも〜ん!てゆうか、さっき晶斗のこと見つめてたでしょー?」
うわ、めんどくさい…。
今日は絡み酒か…?
てゆうか、晶斗…さん?て、誰?
お母さんを引っ剥がしながら首を傾けていると、理事長が笑いながら口を開いた。
「相変わらず酒癖が悪いなぁ、夏音は。
あ、晶斗ってのは俺の事ね、桐山晶斗」
「そう、なんですか…………、…?桐山…?」
「ん?…あぁ、汰斗の父です、んでもってこっちが俺の自慢の奥さんの、」
「桐山ミサです。よろしくね、夏恋ちゃん」
「あ…こちらこそ、よろしくお願いします」
もう驚きすぎて逆に冷静になってきた。
だから今日は、お母さんが私の膝で寝ていても、許してあげようと思う。


