「ただいまー」
『お邪魔します』
玄関にはお母さんの靴しかないので、まだ他の人は来てないらしい。
みんなに、玄関で靴を脱いでもらっていると、軽い足音が聞こえた。
「夏恋ー!お帰り!…あ、みんないらっしゃい」
「おじゃましまーす、夏音さん」
お母さんが私に抱きつく勢いで来て、桐山さんたちに目がいくと、離れて迎え入れた。
とりあえず買ったものをキッチンに置いてもらって、片付けもしてくれると言うので、お言葉に甘えた。
着替えるために部屋に向かい、久々の料理の量に、思わず笑みが零れる。
着替えは、とりあえず動きやすいものと思って、丈の短いスカパンと七分丈の無地Tシャツという、部屋着感丸出しの服装にした。
いいんじゃない?
外に出るわけじゃないのに、服装に気合い入れなくても。
自分の中で何故か言い訳まがいなことをして、料理の準備をするために、キッチンへ向かった。


