――ゴンッ
宝条さんの持っていた本が、相楽さんの脳天に落ちた。
うわぁ…痛そう…。
相楽さん「ぐおぉ…」って唸ってる…。
「いってー…、なにすんだよ要ー」
「角でなかったぶん感謝しろ」
「ちぇー…」
「悪いな、龍崎」
「え?あ…いえ、大丈夫です」
わ…、笑った…宝条さんが笑った。
ぽーっとしながら宝条さんを見ていると、宝条さんが笑った顔のままで私を見て、首を傾けた。
私が宝条さんにボロボロに打ちのめされていると、ほっぺを膨らました相楽さんが話しかけてきた。
「要も人のこと言えないじゃんよー」
「は?なにが」
「べっつにー、あんま色目使ってると、アレがプッツン来ちゃうよー?
あ、夏恋ちゃん、おかずありがとねー」
相楽さんは、よく分からない事を言って、おかずをつまんで湊くんのところに戻った。
なんだったんだろう…。
てか、アレって何?誰?
頭に“?”をたくさん浮かべていると、宝条さんが苦笑いをして、私の頭をポンポンと撫で「悪かった」と言って、桐山さんの所に戻った。
……なんだったんだろう…。


