「あ、そうだ夏恋ちゃん!」
「ぇ、はい?」
「コレと交換で、夏恋ちゃんのおかず何かちょうだい!」
お弁当をつついていると、相楽さんが話しかけてきた。
そして、“コレ”と言って、購買で買ってきたであろう、プリンを差し出した。
プリン…!
食べたい……けど、プリンと私のお弁当のおかずって、対等じゃない気が…。
でも欲しい!
「私のでよければ」
「まじ!?やった!じゃあはい、これプリン」
「ありがとうございます!えっと…好きなの取ってってください」
相楽さんは、キラキラした目で私のお弁当を見ている。
そんなにじっくり見られると、恥ずかしいけど…。
しばらく「どれにしよーかなー」と言っていた相楽さんは、レンコンの肉のはさみ揚げを選んだ。
あ、それはお母さんも絶賛してくれてたから、多分大丈夫なはず。
しかし一向に取ろうとしない相楽さんを不思議に思って顔を上げると、結構近い位置でニコニコしている相楽さんがいた。
「えっと…?」
「夏恋ちゃん、あーんして?」
「……………………へ?」
ニコニコしながら頭を傾ける相楽さん。
顔が良いからって……イケメンだからって……そんなお強請りってずるいと思う…。
でも羞恥心の方が勝ってるから、そんなことできないよ…。
私がオロオロしていると、宝条さんが仲裁に入ってくれた。


