傍にいさせて






「最後、桐山 汰斗(きりやま たいと)」


「この人が、さっき言った俺らのリーダー的な人、無愛想だけど慣れたら優しい……と思うよ!」


「……………」


「えっと…よろしくお願いします」




あれ?私、何か気に障ること、したかな?


じっ…と見られてるけど、何にも口にしない。



少し不安になっていると、湊くんが話しかけてきた。




「ほら!今度は夏恋ちゃんの番!」


「え、あ…うん

えっと、今日転校してきた、龍崎夏恋です、よろしくお願いします」




無難に挨拶をすませ、宝条さん、相楽さん、桐山さんを見ないように、若干目線を下げる。


何でかって?

目を合わせるのはおろか、見られてるのが怖いから。



失礼って分かってるけど、やっぱ見た目不良は怖い。




「……さっ、自己紹介も終わったし、昼ご飯食べよ!」


「そうだなー、夏恋、何かちょーだい」




二人が、私が戸惑ってるのを察したのか、明るめの声を上げた。


また気を使わせてしまった…。