傍にいさせて






「…?俺の顔に何かついてる?…それとも、俺に惚れた?」


「へっ!?ぁ、あの…えっと…」


「はははっ、冗談だよ」




理事長先生は、ニヤッとした意地の悪そうな顔から、心底面白そうな顔に変わった。


……なんだろう…。

私からかわれてばっかな気がする…。




「あの…何か用事があったんじゃ…?」


「あぁそうだった、はいコレ」


「………?何ですか、これ?」


「教科書とかだよ。本当は誰かに届けさせてもよかったんだけど、久しぶりに夏恋ちゃんを見たくなってね」


「はぁ…、ありがとうございます

えっと…以前お会いしたこと、ありましたっけ?」




教科書のことにはお礼を言って、知り合いだったかどうかが思い出せない。


私が聞くと、理事長先生は少し笑ったような気がした。