傍にいさせて






―――――……




「ここが理事長室」


「そっか、ありがとね二人とも」


「ん、……教室までの戻り方、覚えてる?」


「うん、覚えてる…………………………………………たぶん」




脳内で教室に戻るシュミレーションをしてみる。


なんか、こう……。

モヤ〜…っとは思い出せるんだけど…。



私が明後日の方向を向きながら答えると、二人同時にため息をつかれた。




「夏恋ちゃん、待っててあげるから早く行っといで、……渚も、待ってるよね?」


「んあ?……あぁ」


「ごめんね……行ってきます」




二人に見送られ、理事長室の扉をノックした。