「この学校、基本的に自由だから」
「ホームルームだけ出てれば上出来」
「そう、なんだ…
あ、いまさらだけど、二人は兄弟?」
「そだよー」
「ほんといまさら」
「うぅ…ごめんなさい」
私が縮こまっていたら、湊くんと渚くんが、「冗談冗談」と言って、頭を撫でてくれた。
…私って鈍いのかな……。
二人を見比べると、よく似ていた。
双子かな…?
そんなやりとりをしていると、校内放送がかかった。
《1年、龍崎夏恋さん、理事長室まで来てください》
それだけ言って、放送は終わった。
え、いきなり呼び出しくらった…?
「えー、理事長室だって、夏恋ちゃん何かしたの?」
それは私が聞きたいよ、湊くん。
とりあえず行かないと、と思い教室を出ようとしたけど、理事長室ってどこ?


