「はじめまして龍崎さん!俺、緒方 湊(おがた みなと)、隣の席同士、よろしくね!」
「ぁ…はい、よろしくお願いします、緒方くん」
「敬語じゃなくていいのに…それに、湊でいいよ!」
「え?えっと…じゃあ、湊くん?」
「ん〜、呼び捨てでいいのに…ま、いっか!」
隣の席の湊くんと仲良くなりました。
よかった…湊くんみたいな人がいてくれて…。
「おーい湊ー、早速転校生ナンパしてんじゃねーぞー」
「してないから!やっさんは黙っててよ!」
湊くんと話してると、速水先生の間延びした声に、湊くんが返した。
そのやりとりに、少し緊迫していた教室の雰囲気が、軽くなった。
それにしても……
「やっさん…?」
私が疑問の声を上げると、前の席の人が振り向いた。


