「あの、先生?ずっと気になってたんですけど……」
「ん、どした?」
「ここって共学ですよね?私、職員室に行くまでに、女の子見てないんですけど……」
「…?そりゃそうだろ、2年前まで男子校だったんだから」
「……はい?」
「いやー、共学にしたのはいいんだけど、うちの学校評判悪いらしくてな、女子が今まで入ってこなかったんだ、だから、龍崎がこの学校の女生徒1号!」
そう言って爽やかな笑顔を向ける、速水先生。
いやいや、そんな1号なんて嬉しくない。
え、じゃあ私、男子校の中に放り投げられたのと同じ…ってこと?
顔が引きつり、青ざめていくのが分かった。
私……ちゃんとやって行けるのかな…。
不安に思いつつも、もう来てしまったものは仕方ない。
女は度胸、割り切るしかない。


