顎から手が離され、支えを失った身体がドサッと音を立てて床に倒れた。
「おっと、お姫様にこんな扱いはあかんかったな……、よっと」
「っ、」
浮遊感に襲われ、引きつった小さな声が出た。
そのことにはあまり気にせず、私を横抱きにしたまま歩き、柔らかいところに落とした。
目で確認すると、ダブルベッドサイズのベッドだった。
「そこでおとなしくしときや」
乱れた髪を整えてそう言い、唯一の扉から出て行った。
ど、しよ…。
なんとかして、この縄解けないかな…。
手を捻り、足を擦り合わせて何とか解こうとしてみるけれど、特殊な縛り方をしたのか、肌と縄が擦れるだけで、解ける気配はしなかった。


