人が入ってくる気配がして扉が閉まると、騒がしい声は小さくなった。 防音……、 「気ぃついたか?」 「……、」 「そんなケーカイせんでや、別にアンタに危害加えるつもり、ないんやで?」 そこまで言って私に近づき、顎を掴まれた。 「……っ」 耳元に顔が寄せられ、低く囁くその人。 「大人しゅうしといてくれたら、なぁ?夏恋チャン?」 「……っ!」 目の前でニヤッと笑ったその人。 私は、喉が張り付いたように声を発することができなかった。