え、どうしよう逃げなきゃ…っ。


頭で理解した瞬間に足が動いていた。



後ろからの暴言を浴びながら、必死に足を動かす。


助けを呼びたいけど、そんなことをしてたらすぐに捕まってしまう。



次の角を曲がろうとして、腕を掴まれた。




「や…っ、離して!」




抵抗すると、後ろから口を布で塞がれて、酸欠も相まって思い切り息を吸った。




「……っ、?」




それが悪かったのか、意識が段々と薄れていくのが分かった。


その時見たのは、男たちの厭らしい笑みと、私のカバンを奪う男の人だった…。