「あらあらあら、龍之介くんみたいな子だったら、いつでもお婿にいらっしゃい。

それとも、うちの子をお嫁にもらってくれるのかしら?」

「嫁に貰いたいと思ってます」

…なにこの展開?
嫁って、当人の私をほって置いて話し進めるってどうよ?

しかも、お母さんにさっき恋人じゃないって、言ったばかりじゃん。

ぁあっ!
志桜里とは、恋人じゃないって、言っただけか

って、お母さんに美央梨って気づかれたら、実家に帰らなきゃなのに…

そんなことを考え、
ギロっと龍之介を睨むと

私の思考をよんだらしく

「あ、もう遅いので僕はこれで帰りますね。」

「上がっていけば良いのに」

というお母さんの言葉を

「また別の機会にそうさせて頂きます」

とかわし、彼は帰っていった。

残された私とお母さん

「いい彼ね。
お婿に欲しいわ」

婿に龍之介を欲しいというのは冗談じゃなかったみたいです。