「ん…別に…特になにもないけど…」
 「なにそれ…」
 「あっ!なんか高校の研修に行くらしいよ…」
 「らしい…ってえらい他人事ねぇー」
 仕方ない。
 ひーくんの事は、お母さんがひーくんのお母さんと話た内容でしか知らない。
 だからひーくんが先生になりたいなんてその時初めてしった。
 「そういや、今日研修生来るっていってたな…」
 「それって誰情報?」
 「ん?おがちゃん!」
 「あー。小川先生の情報なら確かだろうね」
 美園がいうおがちゃんこと小川先生は、養護教論いわゆる保健の先生。
 そして美園の彼氏だ。
 「もしかしたら隣のお兄ちゃんかもしれないね!」
 「そんなことあり得ないよ…」