いちごあめ

 「その女の子は、幼い頃も今も泣き虫なんだ…」
 …えっ?
 「そしてあめをあげると魔法にかかったように泣き止むんだ…」
 私はまた涙が溢れてきた。
 「あーもー。また泣いちゃった…」
 「…だ、だてぇー」
 「仕方ないな…。ほら」
 口の中に広がる甘くて酸っぱい初恋の味…。
 「…やっぱり、ふーは変わってないね…」
 私の涙はその味が広がると同時に止まっていった。