いちごあめ

 いつの間にか私のお世辞でも大きいとは言えない小さな瞳から一筋の雫が頬を伝っていた。
 「ふー、泣かないで…。最後まで話を聞いて…」
 そんな優しい声で言われたら、頷くしかないじゃない…。
 私はコクンと頷いた。
 「ありがとう…。」
 そんな優しい笑顔を向けないで…。
 忘れられないよ…。
 車は赤信号で止まっていた。