いちごあめ

 「好きだろ?これ」
 「…うん…」
 泣き虫だった私にいつもくれた“いちごあめ”。
 ー…覚えていてくれたんだ…ー
 「これ食べるとすぐに泣き止んでいたよな」
 「今は泣いてないもん…」
 「…でも泣きそうな顔してる」
 私、泣きそうな顔してたんだ…。
 
 「うわっ!」
 急にひーくんが私の頭をわしゃわしゃしてきた。
 「ちょ!やめてよー」
 「はは。昔、こうして俺が頭撫でていたよな」
 覚えているよ…。
 そのたんびにドキドキしてたもん…。