先生との距離

その姿を見て俺は思わず

「何かあった?」
と尋ねた。

「ちょっと、家がね…」

えっ?家?

そう言う藤咲の顔は悲しそうで

どう声を掛けていいか分からなかった。

藤咲はハッとして屋上から出て行ってしまった。

俺の声も届かず…

家って何だ?

あんなに悲しそうに笑う原因が家にあるのか?

俺はこの時から藤咲を助けたいと思ったんだ。

達斗sideーend