なんで…声にならない言葉を頭の中で何度も何度も繰り返した

そして何も出来ないまま私はただ二人の姿を見えなくなるまで見ていた


二人が居なくなってからも…動く事が出来なくてその場に立ち尽くしていた


しばらくして私は家に戻った


ただ涙が流れる



夜遅くに健が帰ってきた


でも何も聞けなくて私は部屋から出なかった



次の日私は何もなかったかの様に健に聞いた


『昨日帰り遅かったね…何してたの?』


『バイト先のツレが相談事話し出して中々帰れなかった』


うそだよね…なんでうそ付くかさえわからなくて私はただ一言


『そっか』


しか言えなかった



それからも健はたまにバイト先の人と出掛けると言っては休みの日に出掛ける日が多くなった