それからもただがむしゃらに仕事をこなしていた


橘さんは相変わらず厳しい


でも普通に何もなかった様に接してくれる


本当に大人だと感心した


『神埼、次の仕事はお前が責任者でしろよ』


『え?橘さんは?』


今まで橘さんがいつも責任者だった


私はいつも補助として動いていた


『俺はお前の補助』


『なんでですか?』


『いや普通だから…お前もそろそろ先輩になるわけだしな』


『私に出来ますかね?』


『さぁ?やる気次第だろ』


橘さんらしい答えだった



それからは本当に怖いくらいビシバシ指導されながら無事に責任者としての仕事をこなせた


いつしか橘さんと組んで居た私は後輩と組まされる様に変わっていった



『神埼さん、ここは?』


『これは、こうして』


そう後輩を指導する側へと変わってきた