今の私には健が結婚しようと言ったあの時くれた婚約指輪をお守りにしている


壱と付き合い出した時に私はその指輪をしまいこんだ


唯一健が私に残して行ってくれたもの


それ以外の健との思い出の品は一つも残ってなくて


いくら荷物を探しても見つからなかった


きっと健が持っていたのだと思う


だから健へと繋ぐ物はこの指輪だけ


あの日別れた日に私の指にはめられたままの行方のない指輪


でも今はそれがお守りになっていた


いくら辛くてもきつくても私は指輪を付けて健を思い出す


それだけで頑張れた


健が側で見守ってくれてるそんな気がしたから


だから逃げずに頑張り続けたんだ


仕事の時はネックレスに通して持ち歩いてる


家に帰れば必ず指にはめてただいまを言う


今の私のお守りになっている