あなたへ

最後のバイトを終えて私は挨拶をした


『本当にお世話になりました』

店長が私が最後だからとわざわざ来てくれた


『本当、君には沢山助けられたよありがとう、元気でね』


『はい、お世話になりました』


そう少し話して私は店を出た


その足で私は駅に向かう


壱が見送ると言ってくれたけど断った


ここからは誰にも甘えず一人で頑張って行きたかったから


駅に着き私は昔健と一緒に帰っていた事を思い出す


早めに来ては二人で色々話してた


そのたびに健は私をからかって遊んでいた


私の大学四年間は健と共にここに降りてきた日から始まったんだ


だからここを出るときも一緒だと信じて疑わなかった


でもそれは私の甘い考えだった

『この町ともお別れか』


私は一人でそう呟きやって来た新幹線に乗った