あなたへ

それからは地元に帰る為に準備を始めた


荷物は全て実家に送り


両親にも事情を説明した


もちろんバイトの店長にも話をして


私は何も思い残すことなくここをあとにする


本当なら二年前健と一緒に帰るはずだった地元


あの日健に置いていかれて私は地元の友達との連絡さえ途絶えた


いや、健の気持ちをわからなかった自分の愚かさから誰にも連絡をしたくなかったから携帯を変えた


今私の携帯のアドレスに登録されてるのは両親と壱とあとはバイトの仲間だけ


大学の友達さえ私は連絡してない


いや出来なかった


そうでもしないと健に繋がってしまいそうで健の情報は聞くのが怖かったから


結局あの時の私は本当に弱かったんだ


でも逃げてばかりの日々はもう今日で終わりにする


私は今日新しい自分に出会うために旅立つんだ