そして壱はゆっくり話す


『でね、健はずっと結衣を見てたんだって…俺の事を考えてる結衣を見てそれでも自分と居てくれる結衣を健はずっと見続けた、でもいつしか自分が結衣を苦しめてるんじゃなかって思い始めたんだって』


そんなことないのにねって壱は言ってくれた


そうだよ…確かに健と壱の間で悩んでた


でもそれは壱も大切な人で健とはまた違う感情があったから


『だから健は卒業したら結衣を解放してあげようって…卒業したら結衣から離れようってそれまでは自分のわがままとして結衣の側にいようって考えたらしい』


『じゃあなんで結婚しようなんていったのよ』


思わず壱に言ってしまう


『最後の賭けだったんだって…結婚しようって言って結衣がもしそれを受け止めてくれたとき俺の事を話してくれたらちゃんと打ち明けてくれたら結婚しようって思ったんだって…でも結衣は言わなかった言わずにまだ俺を見守り続けた』


壱はそう話してくれた