壱はただ健に頷いた


『じゃあ結衣…またいつか、何処かで会うかも知れないけどその時は普通に話しかけてな、結衣と居れて俺は幸せだったよ、約束したのに幸せにしてやれなくてごめんな、出逢えて良かった』


そう言い残し健は私の前から消えた


私は理解出来なかった


何が起きたのさえわからなくて涙がただこぼれ落ちていた



そんな私を抱き締めてくれたのはいつもの健じゃなくて壱だった


泣くだけ泣いて泣いてやっと落ち着いた私は壱の部屋に来た


『結衣、大丈夫?』


『うん、ただ訳がわからない』


だって実家に送ったはずの荷物が壱の部屋にある


『説明するよ』


壱はそう言い話始めた


『健は全部知ってた、俺たちが会ってた事、それでも結衣が好きだから何も言わずに側に居たって』


さっき健も同じことを言っていたのを思い出した