あなたへ

駅に歩き出した健が言う


『壱の家に行こうか?』



『え?何言ってるの健?』


健の急な言葉に私は理解出来なかった



『ごめん結衣…俺気づいてたんだ、お前が壱と会ってたのも連絡取ってたことも、壱がホストしてたことも、今仕事変えて頑張ってることも』


健はそう私を真っ直ぐ見て言う

ああ、やっぱり健は全てわかってたんだ、そう思えた


それでも知らないふりをしてたのはきっと健の優しさ


『ごめんなさい、ずっと隠していて、私、壱と再会して、壱をほって置くことが出来なかった』


私はそう健に話した


上手く伝わったかわからない


ただ不安だけが胸に残る


『いいよ謝らなくて、俺は知ってて何も言わなかった、いや言えなかった』


健はそう言い遠くを見ている