だからそんな健に私は笑顔で頷いた


健は私を抱き締める


『マジで良かった、断られるかと思ってたから…結衣、じゃあこれ受け取ってくれる』


そう言い出してきたのは指輪


『これって…』


『婚約指輪です』


『うそ…』


『本当は卒業まで渡す気は無かったんだけどね』


健は照れくさそうに言うから私は健に手を差し出した


健はそれに気付き指輪をはめてくれた



『絶対幸せにするから』


『うん、幸せにして』


そう言い笑い合った



これで良かったんだ


壱の寂しそうな顔が頭に浮かんだけどすぐに消した


私は健と未来に進む道を選んだから


健の笑顔を守るために


『健、就職活動はするよ…でも焦らずやってみるから…最悪フリーターかも知れないから養ってね』


なんて言ってみた


『ああ、納得するまでしていいよ…ちゃんと養ってやるから』

なんて健は笑う


これが私たちなんだそう思った