あなたへ

私は恐る恐る部屋に入る


でも何処にも壱の姿は無くてただ水の音が響いて居た


私はすぐに水の音がする浴室に向かった


そこには腕から血を流している壱が居た


右手にはカミソリ


『壱、何してるの?』


私は慌てて壱に近づき腕を掴む

壱の腕には無数の切り傷


『結衣…俺消えたくて…』


弱々しく言う壱

『バカ、何考えてんの?自分傷つけちゃダメだよ』


私は壱を抱き締めた


しばらくして壱を連れて部屋に行き手当てをする


見た目よりは血も少なくて傷も浅かった


『結衣…』


壱は手当てしている私に抱きつく


『壱、何があったの?こんなこと壱らしくないよ』


そう壱に言う


『結衣…俺らしいって何?』


壱はまっすぐに私を見て言う