あなたへ

そんな壱を見ていると私まで泣いてしまいそうになる


『だからさお前を忘れようとして色んな女と付き合った…でもいつも続かない…結局気づいたらお前らの家の近くに引っ越してたよ』


『壱…ごめんね…私には何も出来ないよ』


『わかってる結衣が健を裏切れないのも…俺への気持ちがないのも』


違うよ壱…私は…どこかでまだ壱を思ってる


でも忘れるようにしてるんだよ


『壱…』


『大丈夫…ただ俺は結衣と関わりたいだけ…側に居たいだけ…勝手に見守ってたいだけだから』


そう言う壱


『でも…』


『いつかはちゃんと結衣から離れるからもう少しだけ側に居させてくれないかな』


壱は切なそうに言う


だから私は壱の為に出来る事はきっと壱の好きにさせてあげることしかない


『わかった』


そう答えるしか出来なかった