あなたへ

着いた場所は店から5分…家とは真逆の場所だった


『ここ…最近引っ越したんだ』

そう言いドアを開ける


中は凄く寂しくて物があまりなかった


『今、飲み物だすね…まあ紅茶くらいしかないけど』


壱は紅茶を入れたコップを2つ持ってきた


私は唯一ある机の前に座った


そして壱は静かに話し出す


『結衣、俺、いつも彼女出来ても続かないんだよね…何でと思う?』


『なんで?』


壱はゆっくり昔話を始めた


『俺ね高校の時大好きだった彼女が居たの…でも彼女は俺の目の前で死んだ、ケンカして泣きながら走っていく彼女を俺が止めなかったから…そのままトラックに跳ねられて…死んじゃった』


壱は遠くを見ている


壱の目にはうっすら涙が溜まっていた